不運な出来事・・

海外からのお客様をご案内していると思わぬアクシデントに見舞われることがあります。幸いにも当協会を発足してから協会のメンバーがお客様をご案内中に大きな事故に巻き込まれたことはなく、常日頃から緊張感をもってお仕事に取組んでいる成果なのかと思っていますが日々不運は隣合わせです。今回は過去にいくつか起こった不運な事例を報告いたします。

新婚旅行のカップルを箱根の一日観光にご案内をしたベテラン通訳案内士観光ガイドさんの不運。このイタリア人カップルはご主人がお医者さま、奥様は税理士という富裕のお二人で観光は常に専用車をつけてVIP 扱いでその日も箱根の一日観光。当日は生憎天気も悪くて大雨が降り折角の箱根の一日観光で期待をしていた富士山も見ることもできず新婚のお二人はちょっとナーバスに。ベテラン観光ガイドさんは旅行会社からVIP 扱いでご案内をと依頼を受けていた為、悪天候のハンディキャップがある中であの手この手でお客様の気分を上げようと頑張っていました。箱根の森美術館に到着した際も朝から降り続いてる雨は止まず、少しだけ雨が小雨になった時にお客様からご主人の最新のスマートフォンでツーショットの記念写真を撮って欲しいと頼まれ、ガイドさんとしては、きれいなツーショットをおさめて二人の機嫌がよくなればとスマートフォンを受取り背景の良いところを選び、スマートフォンのシャッターを切ろうとした瞬間に雨で手が濡れていたこともありスリップして地面に落下、スマートフォンを落として壊してしまいました。日本の旅行が始まってまだ3日目ということもあり、日本滞在中にスマートフォンが使えないというの大問題!お金の問題以上に、すぐにスマフォを修理して元に戻せとご立腹。ガイドさんは私どもに直ぐに報告をして迅速に連携をとり東京都内にスピード修理をしてくれる店舗を見つけ出し、箱根の観光を早々に切り上げ都内に急いで戻ってきました。閉店間際の修理店で海外からのお客様のスマフォ修理という事情を説明しつつ緊急で修理をしてもらいました。なんとか翌日には仕上がったものの修理代は7万8千円+税の金額に。当然修理代金をお客様にお支払いをお願いするのは難しくガイドさんはとりあえずその場で自分のお財布からクレジットカードを利用して支払いました。よくあるトラブルではありませんが不運にも大きな出費をしてしまうことになってしまいました。

小さなグループ(10人前後)のご案内をしていた通訳アシスタントのSさん。イタリア語も流暢、お客様との接し方もスマートで日本に滞在中にすでに数日間をお客様をご案内し、信頼と安心を与えていました。日本旅行のイタリア帰国前日に一日のフリーの日ができ、その小さなグループは全員一致でお客様のみで東京から新幹線に乗って往復の一日京都観光に行くことに。その前日に通訳アシスタントのSさんは一日観光が終わった後にホテル近くのJR の緑の窓口にて好意で代理で全員分の新幹線の往復チケットを購入して10人のグループリーダー(プロの添乗員さんではなく、代表者)に一式をお渡ししました。 Sさんはお客様の全員分のチケットをグループリーダーに渡す前に事前にグループ全員のお客様に直接に新幹線の乗り方やチケットの見かたなどをイタリア語で丁寧に説明して、その後Sさんからグループリーダーに全員分のチケットを一括して渡しました。グループリーダーはお客様方の夕食前のバタバタの時だったので白い封筒だけSさんから受取り中身の確認もせず、Sさんも受け取り証の様なものにサインもグループリーダーから受取らずその場を別れてしまいました。その日の晩、グループリーダーから私どもに緊急の連絡が入り、新幹線の往復のチケットをSさんから受取っていない。どうしたら良いのかと・・ グループリーダーはその日、食事から戻って来て夜寝る前にSさんから受取った封筒の中身を開けてみると新幹線のチケットは入っていなく封筒の中身は空であったと激怒。深夜の電話越しでは自分は絶対に中身を落としていないし、最初から封筒にはチケットは入っていなかったと。食事中のアルコールや旅行中の疲れからか、かなり興奮気味で絶対に自分が紛失したことはありえない、Sさんから受取った封筒の中身には何も入っていないの一点張り。至急にSさんに確認したところ、Sさんは封筒の中には緑の窓口でチケットを購入した際に直ぐに封筒に入れて夕食前にホテルのロビーでグループリーダーに直接に手渡しをしたとのこと。但し残念なことにグループリーダーにチケットをお渡しをした際にチケット現物を本人と目視で確認しておらず、また受け取りましたという受領証の様なものも受け取っていなかった。Sさんもグループリーダーが言うのと同様に自分が無くしているわけはない。グループリーダーは確かに受けっとっているはずだとの言い分。両者の言い分は全く異なり最終的な判断はイタリア現地のお客様のお申込みを頂いたツアーオペレーターの判断を仰ぐことにしました。チケットや金券類の紛失はよくあるトラブルの為、ガイドさんやアシスタントさんには必ず現物受け取りの署名や認め証の発行を徹底しています。がしかし今回Sさんはその業務を忘れてしまいました。(お客様との信頼関係もできあがり、またグループリーダーが慌ただしくしている夕食前の時間帯にホテルロビーで特にチケットの説明もせずに立ち話しで渡していました。)この部分を旅行会社から責められ、結局翌朝の新幹線乗車に必要なチケットの為、事前に再発行などの手続きをする時間もなく翌朝にグループリーダーが乗車前に駅に行きクレジットカードで立替、その全額分約30万円をSさんが自己負担をする羽目になってしまいました。

ヨーロッパからの訪日外国人人気の街、金沢に日本マニアのシニアカップルを超ベテラン観光ガイドさんが観光の案内を担当しました。金沢のベテランガイドさんは観光当日の朝、お客様のご興味と観光箇所のご希望などをお伺いをして入念にその日のスケジュールをお客様と確認して観光をスタートしました。日本好きのお客様は昼食もしっかりレストランで食べたい、美術館も庭園もしっかり説明を聞きたいと終日観光の内容は盛沢山でベテランガイドさんも説明に手を抜くこともなく一所懸命にその興味に応えるべく丁寧な説明をしながら観光を進めていました。がしかし一生懸命に説明していたが為にスケジュールが押し押しになってしまい、ホテルのロケーションや観光の効率的な回り方を考慮して野村武家屋敷を観光の最後に予定していたのですが、タッチの差で目の前に着いた時にピシャリと閉館で見学をすることができませんでした。ガイドさんは平謝りでお客様にはお詫びをお伝えしたのですが、お客様曰く今回の日本への旅行のメインが金沢の野村武家屋敷だと。それほどまでに楽しみにしていたのに見学ができなかったのはガイドさんの観光のスケジュール管理が悪かったからとガイドさんに翌日の午前中に東京に新幹線で戻る前に野村武家屋敷に連れていって欲しいとの強い依頼がありましたが、あいにく夏場の繁忙期でそのガイドさんはすでに別の外せないお仕事が入っており代替で野村武家屋敷を説明してくれるイタリア語ガイドさんを急遽に手配、勿論追加手配のガイドさんの業務代金をお客様が支払うことはなく、ベテランガイドさんは自分のミスと判断をして追加手配のガイドさんの業務報酬額約2万円以上を支払う羽目になってしまいました。

外国人の観光の方々の旅行中の些細なトラブルは日常茶飯事、そのほとんどが旅行中の良い思い出として後で笑って済ませられる様なことではありますが、中には上の様なケースがベテランのガイドさんやアシスタントさんであっても金銭的に負担を追ってしまう不運は起きしてしまうもの。その時の為にもグイダプリマベーラ保険をかけておけば安心、何か起こってしまった時に金銭的なサポートをしてくれます。

この記事を書いた人
協会事務局

一般社団法人日本ツーリストガイド・アシスタント協会 事務局になります。